フットサルの起源

フットサルには、「サロンフットボール」と「インドアサッカー」の二つのルーツがあります。

「サロンフットボール」は弾まないボールを使っていました。手軽な屋内競技として、ブラジル南米を中心に発展し、南米選手権が毎年のように開かれるようになりました。その後スペインやイタリア、チェコ、オランダなどヨーロッパでも盛んに行われるようになり、1961年に世界サロンフットボール連盟(FIFUSA)が設立されました。そして、1982年に第1回世界サロンフットボール世界選手権大会が開催されました。

「インドアサッカー」も同じく室内でプレーしますが、ボールは普通のサッカーボールを使いました。壁の跳ね返りを利用したスカッシュやアイスホッケーのような要素をもっています。サッカー発祥の地イギリスから始まって、ヨーロッパ、北米などへ広まりました。各国でルールや呼び名が異なっており、オランダでは「ザール」、イタリアでは「カルチェット」、スペインでは「フットボール・サラ」と呼ばれていました。

ヨーロッパ・サッカー連盟(UEFA)は、オランダの「ザール」のルールをもとに、「インドアサッカー」のルール統一化を図りました。そしてオランダ、ベルギー、スペイン、イタリアの4か国大会が開催されました。

フットサルの誕生

世界中で長い間行われてきたフットサルですが、各国で異なっていたルールを国際サッカー連盟(FIFA)が統一していきます。

1988年に、世界各国で競技されていたサロンフットボールなどを統一し、5人制サッカー(室内サッカー)の競技規則を定め、1994年に「5人制サッカー」を「フットサル」と名付け、よりフットサルの特長を生かすように競技規則が改正されました。2000年には、大幅なルール改正が行われ、現在の公式大会はすべてこの2000年に制定されたルールに基づいて行われています。

フットサルの語源

もともと、フットサルはサッカーを表す「Fut」と、室内を意味する「Sal」を合わせた言葉が語源です。
スペイン語とポルトガル語がもとになっているといわれています。

日本のフットサル

Jリーグが開幕した1993年、日本中でサッカーに対する関心が高まりました。そして1998年のフランスワールドカップでは日本代表が初出場。2002年には日韓共催ワールドカップが開催され、一気にサッカー人気に火がつきました。そのサッカー人気に伴い、フットサルもサッカーファンに認知されていきます。

フットサルは、接触プレーが禁止なので老若男女で楽しめるだけでなく、少人数で行うことができます。また、サッカーに比べて施設の確保がしやすいことも始めやすい理由のひとつ。その手軽さから益々人気が高まっており、その競技人口は2012年の時点で280万人にも上ります(レジャー白書調べ)。

競技者層としては特に大学生と20代の社会人が多く、全国各地で様々な大会が開催されています。中でも、公益財団法人日本サッカー協会と日本フットサル連盟が主催する「日本フットサルリーグ(F.LEAGUE)」は、プロチームも含む国内のトップリーグです。

フットサルのピッチ

フットサルのピッチ

フットサルのルール

バックパス
ゴレイロが持っていたボールを離した後、ボールがハーフウェーラインを超える前、または相手チームがボールに触る前に、味方からのバックパスでゴレイロは足でも手でも受け取ってはならない。違反すると相手チームの間接フリーキックとなる。
選手交代
試合中の選手交代は制限なし。審判の許可も不要。
フィールドプレイヤーがゴレイロと交代する場合は自分の背番号のあるゴレイロ用のシャツを着用すれば交代できる。
5mルール
守備側のチームは相手チームのキックイン、コーナーキック、フリーキック、PKの際にキックする地点から5m以上離れなければならない。
4秒ルール
試合中のゴレイロがボールを所持している場合とキックイン、コーナーキック、フリーキックを行う選手はボールを保持した時点から4秒以内に実行しなければならない。
キックイン
フットサルではスローインではなくキックインとなり、試合中にボールがタッチラインを越えた場合は越えた位置にボールを静止させ蹴って試合をスタートさせる。(4秒ルール適用)またキックインによる直接得点することはできない。
ゴールクリアランス
フットサルではゴレイロはキックインではなくスローインで試合が再開する。
攻撃側の相手チームの選手が最後にボールに触れゴールラインを越えた際に、守備側のゴレイロがペナルティエリア内の任意の場所からスローインする事。このゴールクリアランスから直接得点することはできない。
第2PK
試合中のチームのファウルが累積6つになると相手チームに第2ペナルティマークから人壁なしのフリーキックが与えられる。また相手陣内の第2ペナルティマークよりも前方でファウルを受けた場合のキック位置は、反則のあった地点か第2ペナルティマークの位置のどちらかを選ぶことができる。
スライディング
フットサルはボールを保持している選手の足に対してのスライディングは禁止されている。その場合は相手チームに直接フリーキックが与えられる。但し、パスコースとシュートコースに対してのスライディングは反則にはならない。
退場
試合中に退場の宣告を受けた選手は、その試合に再度出場する事もベンチにいることもできない。退場者の退場後、試合経過2分間後または相手チームの得点が決まった後に退場の選手補充ができる。